防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)とは

防風通聖散は、約800年前に中国で生まれた漢方処方で、日本では現在もダイエットや体質改善の目的で広く用いられています。市販薬としても入手でき、「ナイシトール」「コッコアポ」などの商品名で知られています。

この漢方薬の最大の特徴は、体内の余分な熱・水分・老廃物を排出する「清熱瀉下(せいねつしゃげ)」作用を持つ点です。単に食欲を抑えるのではなく、体の内側から体質を整えることを目的としています。

含まれる18種類の生薬

防風通聖散には以下の18種類の生薬が配合されています。それぞれが複合的に働くことで効果を発揮します。

生薬名主な働き
防風(ぼうふう)体を温め、発汗を促す
麻黄(まおう)代謝促進・発汗・利尿
大黄(だいおう)便通改善・瀉下作用
芒硝(ぼうしょう)腸内の熱を冷まし、排便を促す
滑石(かっせき)利尿・体の熱を取る
石膏(せっこう)体の内部の熱を冷ます
黄芩(おうごん)抗炎症・解熱
連翹(れんぎょう)解毒・抗炎症
薄荷(はっか)清涼・発散
その他9種補助的な作用(桔梗・荊芥・白朮・芍薬など)

防風通聖散が向いている「体質」

漢方では、薬の効果は体質によって異なるとされています。防風通聖散が向いているとされる体質(証)は以下の通りです。

  • 体格ががっちりしていて、腹部に脂肪がつきやすい
  • 便秘がちで、のぼせやすい
  • 顔色が赤く、血圧が高めの傾向がある
  • 食欲旺盛で、代謝が低下している感覚がある
  • 「実証(じっしょう)」と呼ばれる、体力・体質が充実した人

反対に、胃腸が弱い・体力がない・やせ型という「虚証(きょしょう)」の人には向かないとされています。

防風通聖散の3つの主要な働き

  1. 発汗作用:麻黄・防風などの成分が体表から余分な熱と水分を排出します。
  2. 利尿作用:滑石・石膏などが腎臓を通じてむくみを改善します。
  3. 瀉下(便通改善)作用:大黄・芒硝が腸の動きを活発にし、老廃物の排出を促します。

市販薬と処方薬の違い

防風通聖散は医療機関での処方だけでなく、ドラッグストアでも購入できます。ただし、市販薬と処方薬では生薬の配合量が異なる場合があります。処方薬のほうが一般的に含有量が多く、医師の診断のもとで使用されます。

まとめ

防風通聖散は「飲むだけで痩せる」魔法の薬ではありません。体質に合った形で使用し、食事や運動などの生活習慣と組み合わせることで、はじめてその効果が発揮されます。自分の体質が合っているかどうかを確認した上で、正しく活用しましょう。